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「営業所」の定義

投稿日:2020/07/27

先日、「建設業許可の概要」で、「営業所」の定義を掲載しましたが、今回は、実務的な部分も含めて説明したいと思います。

1.条文

まずは条文です。法第3条第1項本文部分では、以下の3点(赤文字)について規定されております。

「大臣許可・都道府県知事許可の別」
「営業所(本店・支店)」
「軽微な工事」

2.建設業許可事務ガイドライン

(平成 13 年4月3日国総建第 97 号 総合政策局建設業課長から地方整備局建政部長等あて)

本題に入る前に、法令は抽象的だったり具体的に明文化されていないケースが多く、法令のみでは、行政庁や申請者がしばしば現場実務で対応できないことがあります。
建設業許可事務ガイドラインとは、国土交通大臣に係る建設業許可事務の取扱い等をまとめたもので、法令を補完する役割を担い、国土交通省が許可行政庁に対して、法律用語や定義などの解釈や指針を示す説明書(指導文書)です。許可行政庁に対して通知しますが、最終的にはこれを元に許可行政庁が申請者を指導しますので、我々行政書士も許可行政庁に対する理論武装のため、読み込みと理解が必要です。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000192.html

当該ガイドラインでは、「営業所」について、以下の通り説明しております。

3.「わかりやすい建設業法の手引き」(編集 建設業法令実務研究会 出版 新日本法規出版株式会社)

 
当事務所で使用している標記の実務書(104ページ、105ページ)では、以下の通り解説しております。
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①請負契約の見積り、入札、契約締結などの実態的な業務を行っていること。
②電話、机、各種事務台帳などを備え、居住部分などとは明確に区分された事務室が設けられていること(単なる作業場、資材置場、 連絡所等は該当しません。)
③営業所には、代表者として令3条に規定する使用人(具体的には支店や営業所の代表者である支店長、営業所長をさします。)として、請負契約の見積り、入札、契約締結などの権限を委任されている者が常勤していること。
④営業所ごとに営業所で営業する許可業種に対応する専任の技術者が常勤していること。

他に帳簿の備付けおよび保存義務があり、店舗には許可標識の掲示義務があります。
したがって、単なる登記上の本店、支店や事務連絡所、工事事務所、作業所などは、建設業法上の営業所には該当しません。

営業所に該当するか否かの判断の基準は、本店または支店が建設業に係わる営業に実質的に関与しているかどうかによります。すなわち「本店、支店」が、常時建設工事の請負契約を締結する事務所でない場合であっても、他の営業所に対して請負契約に関する指導、 監督をする場合など、実質的に営業に関与していれば、建設法上の営業所に該当します(平134.3回総建97)。
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4.主たる営業所と従たる営業所

許可申請書では、「主たる営業所」と「従たる営業所」を記載する箇所があります。

「主たる営業所」とは、建設業を営む営業所を統括し、指揮監督する権限を有する一か所の営業所をいい、通常は本社、本店であるが、名目上の本社、本店等であっても、その実態を有しないもの(単なる登記上の本社、本店等)はこれに該当しません。

「従たる営業所」は、「主たる営業所」以外の営業所をいいますが、上記3①~④の要件を満たしていることが必要です。

5.福島県での取り扱い

(1)添付書類

そもそも、「営業所に関する添付書類」は法定書類ではありません。法定書類の記載内容を確認するために、許可行政庁から提出を求められるものです。では、なぜ、提出を求めるのか?「営業所の実態があるかどうか」を確認するためです。許可行政庁が審査のため、申請書に記載の営業所に実際に訪問しても実態がなかったりするケースがあったと聞いたことがあります。

福島県の各出先機関によっては、過去に営業所の写真の添付を求めているところも一部ありましたが、平成23年3月の東日本大震災以後、県外の建設業者や新規の建設業者の参入の結果、一定数、不正を働く申請者がいたらしく、平成27年だった思いますが手引きが改正され、一律に添付書類として提出することになりました。

【自社所有の場合】(①又は②のいずれか一つ提示と③の提出が必要)

①当該建物の登記事項証明書(発行後3か月以内のもの)(※)
②当該建物の固定資産物件証明書(書類の名称は市町村により異なる場合があります。)
③営業所の写真(外観(看板を含む)、内観、ビル内であればフロア案内等社名が確認できるものが写っているもの、建設業許可票)
(※)申請書記載の所在地が住居表示で登記事項証明書記載の所在地が地番で表記が異なる場合、同一地であることが分かる住宅地図等を提示すること。
 
【賃貸の場合】(①の提示と②の提出が必要)

①当該建物の賃貸借契約書の写し(契約書に記載された貸借期間が満了しており、その後自動更新となっている場合には、契約書の写しの他、直近の賃借料の納入が分かる書類)
②営業所の写真(外観(看板を含む)、内観、ビル内であればフロア案内等社名が確認できるものが写っているもの、建設業許可票)

(2)写真台紙

任意ですが、弊所で撮影及び作成を依頼された場合、基本的に「確認資料提出様式(東北地方整備局管内大臣許可業者)の写真台紙を利用しております。
http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b06111/kenseibup/R1amend/2004kakunin_yoshiki.xls

(3)個別事例

 
ここからは、個別具体的な事例について解説したいと思います

①まずは、「プレハブ」が営業所として認められるか?

「営業所としての所有または使用権原を確認することが可能であれば、認められます」

福島県の建設業許可の手引きに、以下のQ&Aがあります。

Q12
プレハブの建物を主たる営業所や従たる営業所とすることは可能ですか。

A12
営業所としての実態が確認できれば可能です。営業所の写真(P22参照)を添付の上、プレハブ及びプレハブを設置している土地それぞれの所有や利用権利が確認で
きる資料を提示してください。

【確認資料の例】

・プレハブを所有していることが証明できるもの (固定資産評価(課税)証明書、建築確認検査済証の写し、購入契約書の写し等)
※リースの場合は、その契約書の写し(数ヶ月の短期契約を除く)等

・プレハブを設置している土地の利用権利を証明できるもの(不動産登記簿謄本、賃貸借契約書の写し等)
なお、プレハブであっても、建築基準法上の「建築物」に該当するため、建築確認申請が必要な場合がありますので、所在地を管轄する特定行政庁に確認ください。

②住居表示と土地・建物の登記簿上の地番が異なる場合

これは、前述した(1)(※)の部分の補足説明となります。
昭和37年に「住居表示に関する法律」が制定されました。その結果、住居表示と土地・建物の登記簿上の住所が異なるケースが発生しました。

登記簿図書館 地番と住居表示の違いは何か

福島市では、「旧市街地」がこれに該当しますので、注意が必要です。

(例)
住居表示   福島市野田町●丁目●番●号
登記簿上地番 福島市野田町字△△ ●●番地●

【対応】

この場合、申請上、同一の場所であること証明する必要があります。
福島市では「住居表示の証明書」を支所でも無料で発行してくれますので、申請書に一緒に添付します。
これが発覚した場合、もうひと手間かける必要があるので、結構大変です(苦笑)

福島市 住居表示実施区域一覧表

③法人登記簿上の本店所在地と土地・建物の登記簿上の地番が異なる場合

こちらも、上記②と同様、前述した(1)(※)の部分の補足説明となります。

営業所の添付書類が求められるようになった結果、特に昭和に設立した法人で、標記のようなケースが見受けられました。
その理由としては「法人の設立登記申請の際に、法務局の登記官は、形式的審査権を行使するにとどまり、本店所在地の住居表示や土地・建物の登記簿上の地番と同一であること実態的な調査まで行わないため、申請者が十分に土地・建物の登記簿上の地番を調査せずに、そのまま、登記申請をしてしまい設立してしまった」ことが考えられます。

【対応】
(a)法人の登記簿の本店所在地を、正しい所在地に変更登記申請を行う。
この場合、株主総会等を開催し、登録免許税3万円の納付と共に登記申請が必要です。
また、登記簿上の本店所在地を変更するため、他の許認可や各所に変更届の提出が必要になり、お客様によっては提出先が多くなる場合もありました。

(b)「登記簿上の住所」と「事実上の住所」が異なる旨の建設業の主たる営業所の変更届を
提出する。

当事務所では、このケースに該当してしまったお客様と相談して上記のどの対応にするのか選択してもらいますが、平成27年以降、(a)の対応よりも(b)の変更届の提出が増加しました。申請書類には「登記簿上の住所」と「事実上の住所」を2段で表記します。

④賃貸借している場合

営業所を賃借している場合は、その契約書の内容が現在も有効なのかどうかについて確認します。頻繁ではありませんが、以下の事例が過去にありました。

「営業所の所在地が、契約書と整合しているか」
「賃貸借期間は満了してないか」
「自動更新制なのか」
「使用目的が事務所なのか」
「契約内容に転貸禁止条項があるにもかかわらず、賃借人が申請者ではない場合」

⑤賃料を支払わず借りている場合

中小企業や個人事業主のお客様の中には、自宅を営業所の一部として使用している方が多く見受けられ、大半は賃料を支払わず、無料で賃借しています。

この場合でも、もちろん、契約書の提示は必要となりますが、民法上、有償契約である賃貸借ではなく、無償契約である「使用貸借」という法律行為に該当しますので、「使用貸借契約書」を準備します。

また、自宅と営業所の区分けを明確にするために、自宅の平面図に営業所の部分を表示して提示します。
 

6.営業所の備品等について

①事務所の出入り口付近や建物には、申請者名を判断する表札や看板等が必要です。
②執務室には、電話機・机・椅子等の什器備品は必要です。
③建設業法第40条では「建設業許可票の掲示」が義務付けされていますのでその写真が必要です。なお、(般-●●)や許可年月日が古いままで掲示されている場合も見受けられますので、最新の許可内容に訂正してから撮影して下さい。また、サイズも法定されていますのでご留意ください。
 
 (標識の掲示) 
第40条 建設業者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見易い場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

7.当事務所で対応できること

お客様の準備の負担にならないよう、当事務所では以下のサービスも対応可能です。

ただし、報酬等や実費が発生しますのでご了承下さい。

①登記事項証明書などの各種証明書の代理取得
②土地・建物の賃貸借契約書の起案・作成(賃貸の場合)
③土地・建物の使用貸借契約書の起案・作成(社長などの個人が無償で貸している場合)
④営業所の写真代行撮影・台紙にデータ貼付
⑤写真に必要な会社名や建設業許可票のサイン発注代行

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