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建設業の「人が採れない・すぐ辞める」にどう向き合うか 採用定着の講座を受講しました

経営のあれこれ

建設業の「人が採れない・すぐ辞める」にどう向き合うか 採用定着の講座を受講しました

建設業の人手不足は、もはや「求人を出しても人が来ない」だけの問題ではありません。せっかく採用した若手が数か月で辞めてしまう。時間をかけて育てた有資格者が、条件の良い会社へ移ってしまう。決算変更届や経審でお客様を訪問すると、こうしたお話を伺わない日はないほどです。

こうした「採れない」「辞める」の両方に向き合うため、2026年10月29日、行政書士法人近藤事務所 所長の近藤が、採用定着支援協会が開催する採用定着の入門講座(Web)を受講しました。この記事では、講座で学んだことと、福島の建設業の現場で感じていることをまとめます。

建設業の人手不足は、数字で見ても深刻です

まず、全国の状況を確認しておきます。

  • 日本商工会議所・東京商工会議所の2024年の調査では、中小企業の65.6%が「人手が不足している」と回答しました。業種別では建設業が78.9%で最も高く、8割近い会社が人手不足を感じています。(J-Net21)
  • 帝国データバンクによると、2026年上半期の人手不足倒産は227件で、過去最多を更新しました。(財経新聞・帝国データバンク発表)
  • 同じく帝国データバンクの2026年7月の調査では、正社員が不足している企業は51.3%。建設業は6割を超える業種のひとつです。(ビジネス+IT)

人が足りないために仕事を受けられない、外注費がかさんで利益が残らない。人手不足は、すでに会社の存続そのものに関わる問題になっています。

講座で印象に残った3つのこと

1. 採用の失敗は「売上」に換算すると重さがわかる

人材紹介会社を使うと、手数料は一般に年収の30〜35%程度とされています。年収500万円の方なら150万円を超えます。営業利益率が10%の会社にとって、150万円の利益を生むには1,500万円の売上が必要です。採用した方が3か月で辞めてしまえば、その費用はすべて失われます。

「採用費」として見るとつい見過ごしてしまう金額も、売上に置き換えると、経営にとってどれほど重いかがはっきりします。決算書を拝見している立場として、とても腑に落ちる考え方でした。

2. 求人広告にお金を積むだけでは、人は来ない

求人媒体は年々増えていますが、応募が来なければ掲載費を上げるしかない、という構造になりがちです。講座では、広告費を増やす前に、求人原稿の書き方、面接の進め方、応募から内定までの対応といった「採用のやり方そのもの」を見直すことの大切さが繰り返し語られました。

3. 採用は「入口」から「定着」まで、一本の流れで考える

求人を出す、応募を受ける、面接する、内定を出す、入社後に育てる。この一連の流れのどこかで人がこぼれています。どこでこぼれているかを把握しないまま求人だけを増やしても、結果は変わりません。特に入社後の最初の3か月が定着の分かれ目になる、というお話は、自社の経験に照らしてもうなずけるものでした。

あわせて印象に残ったのは、「会社が変わらないまま人だけを求めても、採用はうまくいかない」という指摘です。給与や働き方を周りの会社と比べ、自社の現在地を知ること。耳の痛い話ですが、ここから目を背けないことが出発点だと感じました。

福島の現場で感じていること

福島の採用環境も厳しさを増しています。福島労働局の発表によると、学校やハローワークの紹介で就職した県内の高校新卒者は、2020年3月卒の4,528人から、2026年3月卒では3,205人へと、6年で約1,300人減りました。一方、高卒者向けの求人は9,012人あり、就職する高校生1人に対して3件近くの求人がある計算です。さらに、県内で受け付けた求人に就職した割合は68.6%で、3割ほどは県外の求人に就職しています。(福島労働局・令和2年3月卒/令和8年3月卒、いずれも6月末現在)

限られた若い人を、多くの会社が取り合っているのが現状です。地元に残りたい若い人に、地元の建設会社の魅力をどう届けるかが問われています。

私自身、建設業許可業者である株式会社ハセガワーク(看板・サイン業)の代表として、ここ数年で高卒の新入社員を迎えることができました。おかげさまで定着は比較的うまくいっていますが、課題は「入口」、つまり応募してくれる人をどう増やすかです。お客様の建設業者の皆様から伺うお悩みも、ほぼ同じです。

許可・経審の窓口から見える「人」の課題

建設業許可や経審の手続きをお手伝いしていると、人の問題がはっきりと書類に表れます。

  • 営業所技術者の変更届:資格を持つ社員が退職すると、変更の届出が必要になります。要件を満たす技術者がいなければ、許可そのものを維持できなくなるおそれもあります。
  • 経審の技術職員数:技術職員の人数と資格は、経審の点数に直結します。人が辞めれば、入札でのランクにも影響します。
  • 経審の社会性等(W点):「若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況」や「ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況」が評価項目に含まれています。2026年7月1日以降の申請からは、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の宣言の有無も新たに加点対象(5点)になりました。採用と定着への取組は、経審の点数にもつながります。(国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和8年7月1日施行)」、2026年10月31日確認/関連記事:【2026年7月1日~】経営事項審査の様式が変わります)

採用と定着は「人事の話」に見えますが、建設業では許可の維持と経審の点数、つまり受注力そのものに関わる経営課題です。

これからの取組み

まずは自社(株式会社ハセガワーク)で、学んだことを実際に試してみます。採用サイトや求人原稿の見直しなど、取り組んだ内容と結果は、このブログでも順次ご報告する予定です。

当事務所はこれまでも、決算書を許可のためだけの書類で終わらせず、経営に活かすお手伝いを続けてきました(関連記事:決算書は、許可のためだけの書類ではありません)。「人が採れない」「すぐ辞めてしまう」「有資格者がいなくなると許可が心配」といったお悩みがあれば、許可や経審のご相談とあわせて、お気軽にお声がけください。

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初回相談は無料です(2回目以降は30分5,500円)。お電話・メール・Web面談に対応しています。

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この記事を書いた人行政書士法人近藤事務所 所長/行政書士 近藤 博福島の建設業許可・経審・入札を専門とする行政書士法人の所長として、建設業者様のお手伝いをしています。自らも建設業許可業者(株式会社ハセガワーク)の代表取締役として経営を実践中。

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